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栄養指導未経験の管理栄養士が特定保健指導を実施するまでの勉強方法をご紹介します!【初心者向け】

栄養相談が未経験の専業主婦からフリーランス管理栄養士になった私が、栄養相談の手法をどのように身につけていったのかをご紹介します。初めは資格を持っているだけで本当に何もわからない「知識ゼロ」の状況でした。そんな私の実体験をもとに、難しかった3つの壁の乗り越え方や、世界標準のフレームワーク「栄養ケアプロセス」を導入するメリットなど、実践的な勉強方法をご紹介します。これから自らの一歩を踏み出そうとしている方に少しでもご参考にしていただけたら幸いです!

1.栄養指導の基礎を効率よく学ぶ勉強方法

1-1:独学よりもセミナー受講がオススメな理由

未経験から栄養相談の手法を学ぶ際、最も効率的な勉強方法は「実践的なセミナーへの参加」です。何から手をつければいいか分からない状態から独学で迷走するよりも、プロから直接体系的な手順を教わる方が圧倒的に時間を有効活用できます。主婦の立場でお金をかけることにハードルを感じる場合もあるかもしれませんが、一生モノのスキルを得るための先行投資と捉えるのがオススメです。セミナーに参加することで、多くの会社で「本人にお任せ」とされがちな栄養指導の明確な手順や考え方の軸を、最速で身につけることができます。

1-2:現場で本当に役立つ書籍の選び方と活用法

書籍を活用した勉強で大切なのは「どの本をどう読み解くか」です。まず外せないのが『日本人の食事摂取基準』(第一出版)。これは単なる数字の確認用ではなく、アプローチの根拠を導き出すエビデンスの宝庫です。さらに、ロジカルに課題を整理するために『栄養管理プロセス 改訂新版 第2版』(第一出版)は必須のバイブルとなります。また、生活習慣病の概要を手早く掴むには、看護師向けなどの図解が多いビギナー本が適しています。加えて、対象者の実際の食卓やコンビニでの選択を具体的にイメージできるよう、料理成分表や外食・惣菜のカロリーガイドを手元に置いて商品知識をストックしておくと現場で重宝します。

(1)栄養相談の手法を勉強する際に参考にした書籍
・『日本人の食事摂取基準 2025年度版』 伊藤 貞嘉 /佐々木 敏 監修(第一出版)
・『改訂新版 第2版 栄養管理プロセス』 木戸 康博・中村 丁次 他 著(第一出版)
 
・『ライフスタイル改善の成果を導くエンパワーメントアプローチ ~メタボリック症候群と糖尿病の事例をもとに~』 安達美佐・山岡和枝・渡辺満利子 他 著(朝倉書店)


(2)生活習慣病の概要を勉強する際に参考にした書籍
・『まるごとわかる! 生活習慣病』坂根直樹 著(南山堂)
 
(3)料理のエネルギー量や油の使用量などを勉強する際に参考にした書籍
・『食事コーディネートのための主食・主菜・副菜料理成分表 第4版』
  針谷 順子・足立 己幸 著 (群羊社)
・『外食・コンビニ・惣菜のカロリーガイド』 香川 明夫 監修(女子栄養大学出版部)

2.未経験者が直面する「適量把握」の難しさと解決策

2-1:対象者の適量を思い描けない

栄養相談方法を勉強する上で難しかった点とその解決策についてご紹介します。
難しかったこと【その1】
「対象者の適量(エネルギー量、食事構成)を思い描くことができない…。」 
みなさんは「50歳、男性、身体活動レベル ふつう(Ⅱ)」と言われたら、その方の適量を実際の食事構成を示してお伝えすることはできますか?正直、初めの私は全く出来ませんでした。
『栄養ケアプロセス』の行程では、食事に関するアセスメントは対象者の適量と実際の食事内容(推定)を比較することで問題点を抽出することになります。そのため、比較する基準である対象者の食事の適量すらわからなかった私は、最初から大苦戦していました。基準が頭にない状態では、対象者の食事内容を聞いてもどこが問題なのか見えてこないのです。

2-2:食事構成の設計を自分で立てるトレーニング

この「適量がわからない」という壁を乗り越えるための〜解決策〜は2つありました。

〜解決策①~ 
年代、性別の推定エネルギー必要量ごとに自分で食事構成を考えてみる

実際に食事摂取基準に合致する献立を立てて、栄養価計算をしてみました。

〜解決策②~ 
セミナーに参加する 

推定エネルギー必要量から食事構成を設計するための考え方を学びましたが、やはり独学では限界がありセミナー参加が私には必須でした。そもそもセミナーに出て初めて、この食事構成を設計するという考え方そのものを知りました。自分で実際に計算を繰り返して手を動かしたことと、セミナーでの体系的な学びを組み合わせることで、徐々に対象者の適量をパッとイメージできるようになっていきました。


◆オススメのセミナー◆
栄養相談方法を勉強する上で欠かせない『栄養ケアプロセス』を短時間で習得できる、とてもおすすめのセミナーです。
『栄養相談のマスター基礎講座』(栄養サポートネットワーク合同会社)

『栄養相談のマスター基礎講座』参加者の声

3.たくさんの問題点から「優先順位」をつける手法

3-1:検査値と食生活の関連を食事摂取基準で学ぶ

難しかったこと【その2】
「たくさんの問題点の中から優先順位をつけることができない…」 

食習慣の乱れが多い対象者を前にすると、あれもこれもと問題点ばかりが目についてしまい、どこから手をつければいいのか頭を抱えてしまいました。

〜解決策①〜
検査値と実際の食生活との関連を勉強する

ここで最も活躍したのが『日本人の食事摂取基準』でした。書籍を活用するパートでもお伝えした通り、『日本人の食事摂取基準』はエビデンスレベルの高い情報が満載です。特に「総論」と「生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連」のページは、優先順位を見極めるために必読のバイブルとなりました。

3-2:特定保健指導で最も効果の高い課題の絞り込み方

検査値と食生活の関連性がロジカルに理解できるようになると、溢れる問題点の中から「この方の健康状態を改善するために、今もっともアプローチすべき核心はどこか」が自然と見えてきます。たくさんある課題の中から根拠を持って優先順位をつけられるようになりました。特定保健指導では、対象者が無理なく取り組めるように問題点を絞り込むことが不可欠です。エビデンスをベースに優先順位をつけるスキルを身につけたことで、迷うことなく面談を進められるようになり、指導者としての大きな自信に繋がりました。

4.対象者が実践できる「具体的な行動目標」の立て方

4-1:『マンダラート』を活用した具体例の引き出し

難しかったこと【その3】
「問題点がわかっても、具体的な行動目標が立てられない…」

例えば「脂質の摂取量過剰」が解決しなければならない一番の問題点だったとします。
では、実際にどのような行動計画を立てれば脂質の過剰摂取が解決するのか、その具体的な行動目標を立てることが出来ませんでした。

〜解決策①~
まずは『マンダラート』を作る

これは9×9のマス目を使い、中心に大目標、その周りに中目標、さらにその周りに小目標を記載していくフレームワークで、野球の大谷翔平選手がやっていたことで有名になった手法です。
真ん中に「脂質過剰」と書き、「揚げ物は控える」「週に2回までにする」などと広げ、具体例の引き出しを増やしました。

4-2:本人の主体性を引き出す問いかけと行動目標

〜解決策②~
問題点において「何が」「いつ」「どのくらい多いのか」を明確に確認することを意識する

その把握が習慣になると、自然に具体的な「何を」「どのタイミングで」「どのくらいにするか」行動目標を立てることにつながりました。

〜解決策③~
コンビニやスーパーなどで弁当や総菜の商品情報を実際に見に行って提案の選択肢をイメージしておく

〜解決策④~
対象者ご本人に聞くこと

「脂質を減らすためにどのような目標にしましょうか?」と直接質問します。回答された内容の「実行頻度」や「一回の量」を確認する作業は必須ですが、ご本人が自分で考えるその行程こそが、実行率を上げるポイントだと実感しました。

5.『栄養ケアプロセス』を栄養相談で使うメリット

5-1:標準化された手順がもたらす時短と効率化

『栄養ケアプロセス』は、質の高い栄養管理の標準化を目的としています。つまり、この手法を活用することで、栄養相談で行うプロセスがその対象者にも一定の手順で実施でき、結果につながる行動目標かどうかを論理的に考えながら栄養相談を進めることができるようになります。このメリットが、実際の現場(特定保健指導)ではどのような点に活きているのか、具体例をご紹介します。
まず、問題点を絞る行程があることにより行動目標も2つ前後に絞ることができます。また、減量や腹囲の削減に効果的だと確信を持って行動目標を決定できるようになります。その結果、面談時間の時短につながり、普段の面談はほぼ全員、30分位で終了できています。

5-2:対象者の納得と管理栄養士としてのやりがい

さらに嬉しいメリットとして、問題となる行動の根拠を対象者に説明できるため、対象者の「納得」を得られやすいという点があります。そして何より、自分の栄養相談で良い結果が得られ、「やりがい」を感じられるようになります!!最初は何もわからず不安ばかりだった私ですが、『栄養ケアプロセス』という明確な思考の軸を持てたことで、対象者の方にしっかりと寄り添いながら、結果の出る伴走ができるようになりました。独学に限界を感じている未経験の方にこそ、このプロセスがもたらす安心感と、相手の行動変容を後押しできる楽しさをぜひ実感していただきたいです。

まとめ

栄養相談に欠かせない『栄養ケアプロセス』を勉強し、実践できるようになることで、自分が管理栄養士であることに自信を持つことが出来るようになりました。とは言っても私は始めたばかりです。より対象者の行動変容を高められるよう頑張ってきます。この内容が、これから「栄養相談業務に挑戦したい!」とお考えの方に少しでも役に立てばうれしい限りです。私が救われたセミナー情報や、受講生の方の声もぜひ参考にしてみてください!

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◇ライター情報◇
圍 華代子
大学卒業後、管理栄養士として一般企業に就職。家族の海外転職に伴い退職し、帰国後、開業管理栄養士として自立。現在、2社の特定保健指導事業と2つのクリニックにて外来栄養食事指導に従事している。
【資格】管理栄養士